女体化ネタですよ。 問題ない方のみスクロール。 ↓↓↓ 大江戸奇病譚 突如江戸中に謎の奇病が蔓延した。 男しかかからない病気で、発病したものはホルモンバランスを狂わされ女になってしまう。 突然のことなので治療方法はわかっておらず、江戸の男たちを恐怖と喜びのどん底に陥れた。 日頃の恨みを晴らされる者、口説かれるもの、セクハラされる者、これは哀れな男たちの奇病との格闘記である。 1.土方の場合(沖土+山) ある日突然土方が女になった。 鬼副長が何故か美女になってしまったのだから隊内は騒然である。進んで叱られに行く隊員が若干増えた(山崎調べ)。 「本当に女になっちまったんですねィ。呪いの副作用かな」 「ってどんな呪い方してんだよお前ェェェェ!」 外見が変わっても中身は相変わらずらしい。変わり果てた土方の爪先から頭の天辺までまじまじと観察し、沖田はしみじみとして言った。 「元気のいい女は好きですが自分よりでかいのがちょっと気になるかも」 「は? 何の話して……ってちょい待て何してんだ」 土方の周りをぐるっと巡りあちこちから観察しつつ、懐から取り出した手錠で土方の両手を後ろで拘束する。土方が気づいて慌てて逃れようとした頃には時既に遅く、完全に逃れられない状態になっていた。 「え、あの、ちょっと総悟君?」 「いや中はどうなってんのか確認とついでに日頃の俺の痛みを体に教え込んどこうかと」 「嘘ォォォォ!? ちょっ、待って、待ってください駄目だって! 俺今女だから! 妊娠しちゃうからゴムだけでも、ってそうじゃねぇだろ俺ェェェェ!」 事態についていけずに混乱した言葉を撒き散らしながら暴れる土方だが所詮はただの女の力、これなら沖田でも楽に押さえ込むことができた。さっそく服を脱がそうと腰のベルトを外しにかかる。 「子供ができたら名前は何にしましょうねぇ。近藤さんから一字もらって勲太郎とかどうですかィ」 「孕ませる気満々かよオイィィィィィ!」 泣き叫ぶ土方。Sな笑みを浮かべる沖田。 さすがにそろそろ止めたほうがいいかと思い、黙って控えていた山崎は立ち上がった。ちなみになぜここにいるかといえば沖田に記念撮影を頼まれたからである。 「沖田隊長、孕ませるのはやっぱりまずいですよ」 土方に馬乗りになって上着を脱がしかけていた沖田の隣に山崎は立ち、すっかり女になってしまった上司を見下ろして言った。結構胸でかいなーと思いつつ。 「なんででィ。俺と土方さんの子なら悪魔のように腹黒い子ができておもしろそうじゃねぇか」 「まあたしかにそうなんですけど」 この人にとって子供とは何なのだろうという思いが胸をよぎったが、ひとまずそれは置いておく。 「考えてもみてくださいよ。見た目は女でも所詮中身は副長ですよ。子供なんて作っても絶対育児放棄するに決まってます。おまけに虐待とかしちゃうかもしれませんよ」 「あー、そうかも。パンダ以下だからなぁこの人」 山崎の言葉にも一理あると思ったのか、沖田は手を止めて考え始めた。山崎はあと一押しだと思い更に言葉を浴びせた。 「そうですよ。だからやっぱり悲劇を起こさないためにも避妊はちゃんとしないと。ほらこれ、副長の部屋から拝借したものですが」 言って山崎はズボンのポケットからブツを取り出し、沖田の手にそっと握らせてやった。 「これで楽しんでくださいね。撮影は任せておいてください」 満面の笑みでゴーサイン。山崎もまた日頃の恨みを晴らすべく集った同志なのだった。 「山崎てめぇあとでぶっ殺すっっ!」 「土方さん1から48の中でどの数字が好きですかィ?」 その日、屯所に悲鳴の木霊しない時はなかった――。 2.沖田の場合(土沖+山) ある日突然沖田が女になった。 いつもはちょっとやそっとのことでは少しも動じない沖田だが、このときばかりは女になるや顔を真っ青にして部屋に閉じこもってしまった。 それから一時間後。 「どうしよう土方さん、俺こんな体じゃ恥ずかしくて生きていけねぇよ」 「総悟、そんなに気を落とすなよ」 憔悴した沖田の肩を土方が気遣うように抱き寄せる。山崎はなんと言葉をかけていいのかわからずただ黙っていた。 「でも土方さん、俺やっぱり耐えられねぇんでさァ!」 瞳に涙を浮かべて沖田は言った。 「だってこんな小さい胸じゃチャイナといい勝負ですぜ!」 「って落ち込むのそっちかよォォォォ!」 即座につっこむ山崎。 しかしそんな外野などまるでいないかのごとく、土方と沖田のやり取りは続く。至極真面目な顔で変態副長はのたまった。 「何言ってんだお前。胸はでかさじゃねェ、形だ!」 「お前らアホだろォォォ!」 それでも無視される山崎。女になっても頭は空っぽのままなのかすっかり慰められた気になっているらしく、沖田は瞳の涙を拭って土方を見上げた。 「本当ですかィ土方さん……!」 「ったりめぇだろ。それにそんなに小さいのが不満なら俺がでっかくしてやるよ」 「土方さんっ!」 感極まって抱きついてきた沖田のいつもより更に華奢な体を抱き上げて、土方は何事もなかったように山崎の隣をすり抜けて消えていった。 「じゃあ山崎、そういうことで3時間くらい人払いしとけや」 「え、何これ、なんでこんな馬鹿しかいないのこの職場」 それともおかしいのは彼らじゃなくて自分のほうなのだろうか。山崎の疑問に答えてくれる者は誰もいない。少なくともこの職場には。 3.山崎の場合(土山+沖) ある日突然山崎が女になった。 監察の仕事をやるには女のほうが便利なのでいいだろうとのことでみんなひどく喜んだ。本人を除いては。 「副長、山崎です入りますよ」 呼ばれてやって来た副長室でいつものように土方が煙草をふかしている。いつもの癖で吸殻のつまれた灰皿を片付けようとしたところで土方がそれを止めた。 「突然だがお前に重要任務を言いつける」 「は、はいよっ」 重要任務という響きに緊張が走り抜け、山崎は姿勢を正した。 土方は口を開きかけてからいったん閉じ、辺りに聞き耳を立てているものがいないかどうか確認して、それから声のトーンを落として囁いた。非常に真剣な面持ちで。 「今晩俺の部屋に来い」 部屋に沈黙が落ちた。 あまりの展開についていけず山崎は何も言うことガできない。それをいいことに土方は更に言葉を続けた。 「いいか、これはお前が女になっても監察としての能力を衰えさせていないかどうかのテストだ。誰にも見つからずに俺の部屋まで来られるかどうかでお前の今後の扱いを」 ぞくり 土方の言葉が止まる。部屋の気温が突然下がったような気がした。 しかし山崎はすぐにその理由を悟る。気温を下げているものの正体は殺気だ。そう思った途端、それを証明するかのように山崎の耳の脇を通り過ぎた鉛弾が灰皿を直撃して派手な音を立てた。 「あんたって人は部下なら誰でもいいんですかィ?」 鉛弾を放った主が続いて部屋に入ってくる。言い終わったところで更に三発の銃声が響いたが、山崎はあまりの恐ろしさに振り返ることができなかった。ただ目の前には顔面蒼白にした土方がいるだけだ。 「ま、待て総悟、誤解だ、俺はちょっと山崎を試そうと」 「ほーう。山崎の具合を試そうって腹積もりで?」 「いや、だからほら、副長として部下のことをよく知ることは不可欠でだな」 ほんの10秒くらいの会話の間に弾は打ち尽くされたらしく、最後に弾倉を空にした拳銃が飛んできた。脳天に直撃しかけたところをぎりぎりで土方が避ける。 「安心しろや山崎。俺がすぐにこの色狂いを叩っ斬るから」 銃声なんかよりずっと恐ろしいことの前触れを意味する鍔鳴りの音が響いた。 一刻も早く男に戻ろう。山崎がそう決意したのは、土方にセクハラを受けたときではなく怒り狂う沖田を見たこのときだった。貞操の危機よりも生命の危機のほうがよっぽど重大だ。 4.新八の場合(万事屋) ある日突然新八が女になった。 しかし新八の本体は眼鏡なので気に留めるものはいなかった。本人とあと一人を除いて。 「最近僕、なんだか見られているような気がするんです」 「あーそりゃあれだよ。モテない若者特有の脳内彼女現象」 「なんですかそれわけわかんねーよ。こっちは真面目に話してるんだから滞ってる給料の利子分くらい時間とやる気割いてください」 「うーん。とは言ってもなあ」 ジャンプを読みながらいい加減な返事を返す銀時。新八が更に何か言おうと口を開きかけたが、ちょうどその時定春の散歩に出かけていた神楽が帰ってきたため何を言う気だったのかは結局わからないまま終わった。 「ただいまアルヨー。ねぇ銀ちゃん。今そこでわたしすごいもの見たヨ」 「何言ってんだ。性転換する眼鏡以上にすごいものなんざねーよ」 「あのね、ゴリラが電柱に生えてたの」 「ほー、ゴリラがねぇ。んなもん珍しくもなんともねぇじゃねぇか。新八の家にいきゃあ電柱といわずコタツの中だろうが床下だろうが……ん、ゴリラ?」 そこでようやく銀時はジャンプから目を上げた。 外を気にしている新八の姿を改めてじっくり眺める。さすが姉弟なだけあって、性別も同じになったせいで前より妙によく似ている。 「新八、お前ちょっとそこ危険だから窓から離れろ。神楽はそのへんの電柱全部へし折ってこい」 「銀さん、まさかこれって」 「言うな。認識したら負けだ。お前の姉を見ろ。奴は堂々と部屋の中にまであたかも家族の一員かゴキブリのごとく自然に入りこんでくるようになるぞ」 とりあえずそのへんに落ちていた毛布を新八に頭から被せ、自分は電話の受話器を取った。新八が女になろうがどうでもいいと思っていたが、やはり金にならなくても解決策を探すべきかも知れない。ストーカーにプライバシーのある生活を脅かされないためにも。 5.桂の場合(桂銀桂) ある日突然桂が女になった。 そのことを万事屋が知ったのは本人が菓子折り片手にやって来た日のことである。 「ヅラ子ぉ、お前とうとうその道に目覚めちまったのか。まぁかまっ娘倶楽部の化け物たちにパー子がよろしく言っていたと伝えておいてくれや」 「ヅラ子じゃない、桂小太子だ」 「語呂悪っ。つーか何それ、源氏名変えたの?」 「そうではない。俺はオカマではなく本物の女になってしまったのだ」 神妙な面持ちでそんなことを言われても困る。それともこれはなんらかの依頼の前振りと受け取っていいのだろうか。 「あー……で、用は。依頼以外なら帰れ。男に戻る方法探してくれってんならいい医者紹介するぜ。言っとくがうちは専門外だ」 「いや、そうではない。今日は別の仕事の依頼に来た」 限りなくお湯に近いお茶を一口すすり、桂はいつにもまして真面目な様子で語りだした。いつもならこのあたりで何か口を挟んでくる新八と神楽も、桂のただならぬ様子を察して大人しくしている。 「俺は日夜攘夷のために心血を注いでいる。しかしだ、俺の命だって永遠ではない。いつ何が起こるかわからない。そこでだ、俺は考えた。それならば後継者を作ろうと」 会話の流れからして不意に嫌な予感がよぎり、何かを考える前に席を立とうとした。しかし桂に先手を打たれ、両肩をガシッと押さえ込まれる。 「というわけでだ銀時、俺が女になったのも何かの縁だ。お前の子を生ませてくれ!」 「帰れェェェェェェ!」 全力で、全身全霊を持って拒絶した。冗談じゃない。たしかにここは万事屋で、なんでもすると自称してはいるが、まさか春に加えて二世まで金と引き換えに作る気はない。そもそも最近は父親も育児をするべきだとの意見が強く、父親だって大変なのだ。このマメ男(今は女だが)のことだから産んだら産んだで育児は二人で当番制にとか言ってくるに決まっている。 「いや待てヅラ、いや小太子。お前と俺の子供じゃ中途半端にストレートでテンパなガキになっちまう。そうなったらきっとイジメにあうぞ」 「俺とお前の子なら大丈夫だ。そんなものに負けない強い子に育つ!」 「ほらでも俺って革命とか世界情勢に興味ないし、強い奴なら別に高杉でも」 「駄目だ。だって通信簿に『協調性に欠けます』とかきっと書かれるぞ。そんな子が革命など起こせるものか!」 「じゃあ坂本」 「性病持ちは論外!」 まだ他にもいくつか桂の夫候補が頭に浮かんだが、この調子だとなんだかんだで却下されてしまうだろう。隙を見て警察に通報でもしようかという考えがチラッと頭を掠めたが、どうせ撒いて再び戻ってくるに決まっている。 「安心しろ。どうせだからお前に名前はつけさせてやる。どうだこれで文句ないだろう」 「んなわけあるかァァァ! おい新八、神楽、ちょっとこの馬鹿なんとかしろ!」 ずっとおとなしく話を聞いていた新八と神楽に助けを求めるが、二人は満面の笑顔で出かける仕度を始めていた。 「銀さん、桂さんのことだからきっとずいぶんお金持ってますよ。そういうわけでがんばってください」 「ねぇ新八、銀ちゃんとヅラが結婚したら本当に毎日ふりかけご飯食べれるネ?」 「それどころか沢庵も二枚ついてくるよ」 「よっしゃぁぁぁ! 銀ちゃんファイト! よくわかんないけどがんばってこいヨ!」 「この裏切り者どもォォォォ!」 しかし銀時の叫びも空しく、二人は桂に押さえ込まれかけている銀時に手を振って無情にも出て行ってしまった。 「子供たちの許可も得られたようだな。これからはお腹の子も入れて10人で仲良く暮らしていこう」 「え、ちょっ、何人産む気だよオイィィィ!?」 なぜか自分以外はものすごくノリ気なようで、気がつけば味方は誰もいない状況に陥っている。しかし人望に恵まれないことを嘆いている余裕はなかった。嘆いているうちに二世が誕生してしまうかもしれない。 6.銀時の場合(攘夷×銀) ある日突然銀時が女になった。 その日以来、身の危険を感じてずっと閉じこもっていたのだがこの情報が支配する世界で何かを隠し通すことほど難しいことはないらしい。女になって三日目の朝、気がつけば懐かしい顔ぶれが万事屋に集結していた。 「よう銀時ぃ、女になったんだってな。ちょっくら俺と遊ばねぇか?」 「あっはっはっ、遊びに来てやったぜよ金時〜」 「すまない銀時。物分りの悪い俺を許してくれ。お前は産ませるより産みたかったのだな!」 よりにもよってうざいのが三人揃い踏みだ。しかも誰に買収されたのか知らないが新八と神楽は既に姿を消している。奴らあとで覚えてろよ、と内心で毒づくも状況改善の役には何もたちはしない。 とりあえずこの場を切り抜けるための作戦を考え、とりあえず適当に騙して追い返せないか試みてみることにした。 「おいおい、お前らどこで聞きつけてきたんだか知らねぇが俺は断じて女になんかなっちゃいねぇぞ。これはあれだ、女装だよ。ちょっと小遣い稼ぎにパー子再びってことで」 「女装ねぇ。やれやれ、白夜叉の成れの果てがこれとは悲しいもんだ」 「金時が女装好きだったとは知らんかったの〜?」 「ふっ、俺と再びタッグを組みたいのならはじめからそう言えばよかろう」 かなり駄目元だったのだが、どこまでも馬鹿なのかあっさり騙されてくれた。こんな奴ら(坂本は少し違うが)がこの国の未来を背負っているのかと思うと泣けてくる。攘夷がいまだに果たされないことにはこんな原因が横たわっているのかもしれない。 何はともあれ、このまま騙しきればこちらの勝ちだ。輪姦は免れる。 しかしそう思ったのも束の間だった。 「しかしまあせっかく来たんだし、女装の極意でも見せてもらおうか? その胸をどうやって作っているのかとかなぁ」 「まあこうして会ったのも何かの縁、久々に愛を営むぜよ〜」 「そうだ銀時、ひょっとしたら奇跡が起きて子がなせるかも知れんぞ」 嘘を見抜いている人、真偽なんざどうでもいい人、騙されたまま暴走している人、三者三様でありながらも最終的意見は一致しているようで。 「というわけで銀時、さっそく脱いでもらおうか?」 「え、ちょっと、皆さん……? パー子困っちゃうんだけど」 高杉の言葉を合図に戦いの火蓋は切って落とされた。 こうなったら最終手段に移行だ。かつて白夜叉と呼ばれたこの実力を持ってして貞操を死守せんと、銀時は前より少し重く感じる木刀を手に取った。 7.続・銀時の場合(真選組×銀) かつての大戦を思い出させるほどの死闘を終え、敗者たちが押入れに眠る万事屋にて。騒ぎを聞きつけた近隣住民の通報により、今度は真選組の尋問を受ける羽目になった。一難去ってまた一難とはこのことである。 「で、山崎の偵察によると攘夷派連中その他がいたそうだが?」 「知らねぇよ」 「隠し立てするとためにならんぞ」 「いや知らないったら」 押入れをちらちら見ながら銀時は土方にシラを切り続ける。いっそここでまとめて逮捕してもらったほうが世のため身の安全のためいいのだろうが、そうなると必然的に銀時も関係追及は免れない。下手をするとこのまま共犯として一緒に監獄暮らしということもありうるのだ。この面子でそれだけはごめんだ。少なくとも女でいるうちは。パパ三人に囲まれて監獄出産&育児なんて勘弁してほしい。 「どうしても口を割る気はないわけだな?」 「知らないことを答えられるほど俺は器用じゃないもんでね」 「ほーう。そうか。口を割らねぇか」 不快に眉を顰めでもするかと思いきや、銀時の予想に反して土方はにやりと笑みを浮かべた。本能(女の勘ともいうかもしれない)が危険を知らせ、銀時は無意識のうちに後ろに下がろうとした。 「そうなると体に聞くしかないようだなぁ?」 ほらきた。やっぱりきたよ。銀時は内心で我が身の不幸を嘆きつつ、必死の抵抗を試みた。 しかしいつもと勝手の違う女の体、非力さも加わって今はこちらの分が悪い。銀時の抵抗など抵抗とも思わずに、数秒後には土方は銀時を押し倒していた。 「すいませーんお巡りさんがそういうことしちゃまずいんでないですかー」 「高杉と桂の情報とあっちゃこれくらいの拷問はお上も許すだろうさ」 「いやこれ拷問じゃなくて強姦だし」 指名手配犯+αの次は警察とは、ずいぶんと自分もモテたものだ。しかしさすがに二回目ともなると冷静で、銀時は土方に気づかれぬようそろそろと木刀に手を伸ばしかけていた。あと少し 「おっと、二人ともそこまでですぜィ」 木刀が見慣れたブーツに蹴り飛ばされる。それと同時に土方の後頭部に銃口が押し当てられた。 「げ、総悟!」 「ったく、あんたはあれだけお仕置きしたのにまーだ懲りないんですかィ?」 顔は笑っていながらも目は殺気にぎらついている。とんでもない修羅場に遭遇してしまったらしいがとりあえず助かったと見ていいのだろうか。届く範囲の外に転がっていってしまった木刀を気にしつつ、銀時は警官二人の痴話喧嘩を見守る。 「このまま頭を撃ち抜かれたくなけりゃ大人しく痴漢容疑で逮捕されてくだせェ。あ、ご安心を。万事屋の旦那の事情聴取は俺がやっとくんで。おい山崎、後は頼んだぜ」 「はいよっ。そんなわけで副長、大人しくお縄についてくださいねー」 銀時がぼんやりと見ているうちに、瞬く間に手際よく縛られて土方は山崎により連行されていった。 上に乗っていた狼がいなくなり、胸を撫で下ろしつつ銀時はようやく起き上がろうとする。 「あ、旦那はそのままで」 「へ?」 起き上がりかけたところで、思い切り肩を踏みつけられて再び床に縫いとめられた。 「これから事情聴取するんで正直に答えてくだせェ。さもないと俺と旦那の遺伝子を持つ悪魔のような子供が誕生しちまいますぜ?」 「え、これやっぱソウイウ展開なわけ?」 「イエース」 「誰かァァァ! 助けてヘルスゥゥゥ、ヘルスミィィィィー!」 沖田の笑顔に初めて戦慄を覚え、銀時は全力で助けを求めた。押入れにまとめて押し込んでおいた暴漢どもに。 場が混乱する機を見計らって自分だけ逃げる算段である。彼らのうち一人でも目を覚ましてくれたならば。 なんだか非常に評判のよかった話です。 本当は沖田編にもう一本加筆したかったのだけどネタを忘れました。 06/10/14 |